浅間高原⁸⁷⁹㍱            

©啄木鳥ハウス                 

コガラについて       ☄

コガラ

スズメ目シジュウカラ科の小型の留鳥。「ヒガラ」よりもわずかに大きい。頭は黒く、喉の黒斑が小さい(=ノーネクタイ)ため、ヘルメットをかぶった(ベレー帽をかぶった|鍋をかぶった)ように見える。さえずりは、「ヒーヒー ヒーヒ」と比較的単調だが、フルート様の音色と言われる。

 

写真は、啄木鳥ハウスに大きなウルシの木があった頃のもので、秋になると立派な実をつけ、これにコガラがよく来ていた。その後、ウルシは伐採したので、このような光景を身近に見ることはなくなった。少し残念です。

キセキレイ         ☄

キセキレイ

胸~腹が黄色のセキレイで、尾を上下に動かす習性は他のセキレイと同じだが、谷川や湿地帯近くで、「木の枝にとまっている」のを目撃することが多いため、受ける印象がかなり違います。鳴き声は「チチッ チチッ」という感じで、かなり小声ですが、水辺に近いなどの状況を合わせ考えれば、わかりづらいものではありません。

カケスについて       ☄

カケス

顔つきがひょうきんなカラス科の留鳥です。留鳥ですが、山の中を移動するようで、「秋になると帰って来る」ように感じさせる鳥です。繁殖期にはつがいで深い森に移動して、姿を現さなくなるため*1と推測されていますが、ここまで姿を消す鳥はいないので、奇妙な感じもします。

 

体は紫色を帯びた暗褐色で、黒い翼に青と白の縞模様があります。こう書くとややこしいですが、全体として「歌舞伎で観る派手な裃」の様な鳥なので、静止していれば一目でわかります。鳴き声にも特色があり、しわがれ声で「ジェーィ」と鳴きます。このため、英語で「jay」と呼ばれますが、この声でもカケスの存在はすぐに知れます。

*1:高橋東士著 「浅間高原の野鳥 バードウオッチングノート」

アカハラについて      ☄

アカハラ

胸から腹部側面が「オレンジ色」で、腹部中央から尾羽基部下面が「白」、頭部が「暗褐色」の羽毛で覆われたツグミ科の夏鳥。嘴は黒っぽく、やや太く感じる。一部、冬に渡ってくる個体もあるようだ*1が、一般的には夏鳥で、4月中旬に、クロツグミと相前後して渡って来る。(シロハラはヒタキ科で冬鳥)

 

アカハラも、クロツグミ同様、澄んだ笛のような声で「キョロロン キョン ジー」と、朝早くから、競い合うようにさえずる。このさえずりはアカハラの大合唱となって夕刻まで続く。*2  浅間山麓では、アカハラが地上でミミズや昆虫を探す姿をよく見かけ、家のすぐ前にまで採食に来る。2003年、アカハラ軽井沢町の鳥に制定された。

*1:サントリーの愛鳥活動

*2:高橋東士著 「浅間高原の野鳥 バードウオッチングノート」

ウグイスについて      ☄ 

ウグイス

あまりにも有名な鳴鳥で、「オオルリ」「コマドリ」とともに日本三鳴鳥と言われています。鳴き声を知らないヒトはいないでしょうが、藪の中にいることが多いため、体色には誤解があるようです。実際のウグイスは灰褐色~オリーブ褐色で、ウグイス色ではなく(写真参照)、丸っこく少しお腹の出た小型の鳥です。いわゆるウグイス色は、新緑が反射した色で、林の中でウグイスを撮影するとウグイス色になります。

 

ウグイスは漂鳥で、里で鳴く練習をして、春の深まりとともに、巣づくりのため山に戻るといわれます。啄木鳥ハウス周辺の林はウグイスの巣作りに適しているのか、練習中の鳴き声、上達した鳴き声、繁殖期に出す「谷渡り」のすべてが鑑賞でき、圧巻の谷渡りも聴かれます。浅間高原を少し登ったところの「鬼押し出園」もウグイスの名所としておすすめです。

 

江戸中期、本所深川の北割下水で、小林一茶が「鶯が呑むぞ浴びるぞ割下水」という句を残しています。割下水とは「覆いのない下水」で、墨田区内には北と南の2本があり、ともに江戸前期・万治年間に掘られました。一茶が詠んだ北割下水は、暗渠となって、現在も春日通りに残っています。また、本所には本所上水という、本所・深川に給水する上水道も作られていました。

 

墨田区は「下町」の代表として、江戸情緒が残る町人街と思われがちですが、実は、五代将軍綱吉の時代に「武家地を中心として再開発された街」です。軍事的理由から、旗本・御家人の屋敷が多く、北側には広大な水戸藩下屋敷もありました。武家地に町人地が混在する街で、「下水を挟んで武家と町人が挨拶する中、鶯が割り下水で水浴びをしている」というなごやかな光景を一茶は詠んだのかもしれません。