浅間高原⁸⁷⁹㍱            

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ウグイスについて      ☄ 

ウグイス

あまりにも有名な鳴鳥で、「オオルリ」「コマドリ」とともに日本三鳴鳥と言われています。鳴き声を知らないヒトはいないでしょうが、藪の中にいることが多いため、体色には誤解があるようです。実際のウグイスは灰褐色~オリーブ褐色で、ウグイス色ではなく(写真参照)、丸っこく少しお腹の出た小型の鳥です。いわゆるウグイス色は、新緑が反射した色で、林の中でウグイスを撮影するとウグイス色になります。

 

ウグイスは漂鳥で、里で鳴く練習をして、春の深まりとともに、巣づくりのため山に戻るといわれます。啄木鳥ハウス周辺の林はウグイスの巣作りに適しているのか、練習中の鳴き声、上達した鳴き声、繁殖期に出す「谷渡り」のすべてが鑑賞でき、圧巻の谷渡りも聴かれます。浅間高原を少し登ったところの「鬼押し出園」もウグイスの名所としておすすめです。

 

江戸中期、本所深川の北割下水で、小林一茶が「鶯が呑むぞ浴びるぞ割下水」という句を残しています。割下水とは「覆いのない下水」で、墨田区内には北と南の2本があり、ともに江戸前期・万治年間に掘られました。一茶が詠んだ北割下水は、暗渠となって、現在も春日通りに残っています。また、本所には本所上水という、本所・深川に給水する上水道も作られていました。

 

墨田区は「下町」の代表として、江戸情緒が残る町人街と思われがちですが、実は、五代将軍綱吉の時代に「武家地を中心として再開発された街」です。軍事的理由から、旗本・御家人の屋敷が多く、北側には広大な水戸藩下屋敷もありました。武家地に町人地が混在する街で、「下水を挟んで武家と町人が挨拶する中、鶯が割り下水で水浴びをしている」というなごやかな光景を一茶は詠んだのかもしれません。