浅間高原⁸⁷⁹㍱            

©啄木鳥ハウス                 

ヒレンジャクがやってきた

アオハダの実

12月になって、ヤマに戻って気付いたのが、10羽以上の集団で裏庭のアオハダの赤い実をついばみに来る鳥たちだった。カラ類よりは大きいが、ヒヨドリよりは少し小さい鳥で、遠目には全身が薄茶色がかっていて、お腹はやや白っぽく、飛ぶと羽に白い部分が見えるように感じた。アオハダの枝にとまっている時に眼を凝らすと、冠毛があるように見えたが、それ以上の肉眼での確認は困難だった。カケスを思わせる比較的大きな集団だが、カケスのように大騒ぎはしないし、ほとんどの個体が、鳴き声をあげるでもなく、アオハダの実を次から次へとついばんでいた。2023年12月8日午前10時、望遠カメラ(Nikon P900)を持ち出しての撮影に成功したが、この写真から、この鳥たちはヒレンジャクの集団であることが確認された。

 

ヒレンジャク

キレンジャクと共に冬に渡って来る野鳥で、ゴジュウカラにみるような、眼を通り側頭部へ続く過眼線と小型の冠毛が特徴で、尾の先の黄色い部分(キレンジャク)や緋色の部分(ヒレンジャク)も目立つ。毎年現れる訳ではなく、4~5年に1度、大群を成して渡って来ると解説されていて、この年を「当たり年」と言うらしい。浅間高原「啄木鳥ハウス」では、今回が初めての確認で、レンジャクの当たり年に出会ったようだ。いつもの資料、高橋東士著 「浅間高原の野鳥 バードウオッチングノート」(ほおずき書籍、1997)には、レンジャクの記載はなく、やはり珍しいのだろうと思う。

アオハダの実をつばむヒレンジャク

連雀

レンジャクとは「連雀」と書き、スズメのような大群で現れ、木々(都市部では電線)に並んでとまる姿から、命名されたようで、そのころ(平安時代)には、キレンジャクヒレンジャクは区別されていなかった。望遠鏡のない時代に、尾の先っぽの色で区別するのは困難だったようだ。レンジャクは木の実を好み、集団で一斉についばみ、実がなくなると移動していく、という行動パターンを取るそうだ。啄木鳥ハウスのアオハダの実も、この日でほとんどなくなり、翌日からはヒレンジャクの姿も見られなくなった。この最後の日に、繰り返しシャッターを切ったが、スズメのようによく動く鳥で、満足いくシャッターチャンスは得られなかった。