浅間高原⁸⁷⁹㍱            

©啄木鳥ハウス                 

「マイナンバーカードで戸籍証明書が取れないのは制度に問題がある」という無知な主張

戸籍事項証明書はコンビニでも発行できるが、

一部「追加の手続き」が必要だったり、発行できない市町村がある

「コンビニで戸籍証明書を取得しようとしたが、マイナンバーカードが役に立たなかった」「制度に問題があるのではないか」という趣旨の記事(執筆者: 青沼 陽一郎氏)が2023.8.13(日)にJBpressで配信されている。「戸籍証明書」という用語にも少し違和感があり、「戸籍全部事項証明書」あるいは「戸籍個人事項証明書」と書いてないあたり、役所の説明をきちんと読んだのかなと思うが、執筆者の主張が事実かどうか、少し調べてみた。(⇩下は記事へのリンク)

 

 

戸籍事項証明書の種類

念のため、戸籍事項証明書の種類について述べておく。かつての「戸籍謄本」、「戸籍抄本」をコンピューター管理している市区町村では、各々、「戸籍全部事項証明書」「戸籍個人事項証明書」と称する。「戸籍全部事項証明書」には、「本籍」と「戸籍の筆頭者の氏名」、その戸籍に記載されている人全員の、「氏名」、「生年月日」、「父母の氏名と続柄」とそれぞれの人に関する「出生事項」「婚姻事項」などが記載されていて、「戸籍個人事項証明書」は戸籍に記録されている一部の人について証明書となる。このあたりは、どこの市町村のサイトにも書いてある。

戸籍事項証明書のコンビニでの発行

J-LIS 地方公共団体情報システム機構 が開設している「コンビニ交付」と言うサイトに市町村の発行する証明書のコンビニ公布の手順が詳しく書かれている。「本籍地の戸籍証明書」のコンビニ交付は、「現住所と本籍地が同じ場合」と「現住所と本籍地が違う場合」で異なり、後者の場合には、あらかじめ「本籍地の市区町村への利用登録申請」が必要となる。また、市町村によっては、特定の証明書について、コンビニ交付に対応していないこともあり、この対応の有無も明確に記載されている

 

証明書を申請するならこのサイトを参照すべきで、マイナンバーカードを持っただけでコンビニに向かうというのはインテリジェンスを疑われる行為ではないか。記事の執筆者は、買物で言えば、何も調べず、お店に行って、目的の品がないから店の責任だと言っているのと同じで、無知に傲慢が加われば悪質なクレーマーになってしまう。こんな記事が堂々と有名ネット「JBpress」で配信され、しかも、Googleが推奨ニュースとしてプッシュして来るのは本当にどうかしている。

 

 

東京近郊の自治体のコンビニ交付状況

最後に、東京近郊の自治体(23区や横浜など)のコンビニ交付の実態を詳しく解説したサイトがありましたので紹介しておきます。

---

アイキャッチ画像はJ-LISサイトから借用させていただきました。問題があるようならお知らせください。